劇場に行こう!
≪2月28日の赤坂≫
「ゲーテ・インスティテュート」につづく坂道。
テンメンちゃんがパンフレットをじっくり読む──
なんとかやっていく
≪開演後≫
「この四人で、なんとか、なんとかやっていきたいと思いますけれどね」
演劇が始まってすぐ、カトウが観客に呼びかける。
ナニカ「はい、いまどんな言葉が浮かんできてる?」
フジ「バーニラ、バニラバーニラ地球人!」
一瞬、客席の空気が張り詰める。
ナニカ「重症ですねえ」
十年
リカが、客席に向かって、
「ここにはさまざまな十年が集合しています。あなたはその中から、あなたの十年と言えるものを、ひとつ選んでください。選んだら、それを一枚のハンカチーフのように、薄く引き伸ばしてください」
リカ
「はい、ばっちりです。これで十年ハンカチーフで涙をぬぐったり膝に広げたり、別れの挨拶をしたり出来ます。最後までお手に、お持ちになっていてくださいね」
ギャル
タクシードライバーになったカトウ。
話しこんでいるカトウとサラリーマンの近くで、スカートの下にジャージを履いたギャルが様子を伺っている。
ギャル「フラペチーノ飲みます? アサリの」
(圧倒)(やたら近い距離)
カトウ「………………………………アサリの?」
ギャル「砂は入ってないよ」
笑い
≪物語終盤≫
フジ「クワイエタス!!」
ミチコが声を奪われて、口をぱくぱくさせる。
客席からもひときわ大きな笑いが起こっている。
フジ「ホグワーツ魔法魔術学校って正式名称言ったことある? こんなすんなり出てこなくない?」
シナリオ
フジ「ぼくが部屋を出たら、ナニカにぶつかって、再開して、いまはそういう場面だよ、ミチコはもう終わり」
ミチコ「終わりってなんや!」
ミチコが観客のほうを向いて、
「あのー、さっきから気になってたんですけど、その手に握ってはるのは、何ですか?」
一瞬、客席の空気が張り詰める。
それからミチコの眼がテンメンちゃんを捉える。
「は。十年のハンカチ? なにそれ、十年を手に握ってはんの? ……考えたこともなかったことばっかりあるな。……十年。一瞬だったんやろな。」
その後、すぐに劇が終わり、舞台が暗転していく。
帰り道
テンメンちゃんが塀の上に乗り、垣根の枝を勝手に折る。
山本ディレッタントが、道端に座って戯曲を読んでいる。
テンメンちゃんがぴょんっと降りてきて、戯曲を覗きこむ。
フジ (観客が答えたら言わない。観客が答えなさそ
うだったら気まずくならない間ですぐ言う)
十年だよ。
~おわり~
| テンメンちゃん | 山本ディレッタント |
|---|---|
|
724点
観る時食べた夜ご飯:いくらおにぎり
|
構成
18 / 20
倫理
18 / 20
セリフ
19 / 20
テーマ
19 / 20
動作
18 / 20
計
92 / 100
|
| 724点いくらおにぎり | 92/100点 |